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コラム
妊活中の食生活 マーガリンはお好きですか?
千葉市中央区婦人科疾患特化型治療院 鍼灸・メディカルアロマ・ヨモギ蒸しの鍼灸整骨うりずんです。
妊活中の食生活について、シリーズでお話をしています。
1回目は、イソフラボンのとりすぎについて、2回目は、甘いものの摂りすぎについて、3回目は、お肉も食べましょう、というお話をしましたが、今回は、マーガリンやショートニング・ファットスプレッドといった加工された植物性油脂を不妊症治療中、妊活中、妊娠中の方は、出来るだけ食べないようにしましょう というお話をしたいと思います。
マーガリンやショートニング、ファットスプレッドは、植物油から作られる固形油脂です。
一般的に植物からとれる油は常温では液体ですが、そこに、水素添加を行うと、常温でも固体で存在する固形油脂に変わります。
マーガリンやショートニング、ファットスプレッドは、バターやラードなどの天然の固形油脂と比べ、安価で、劣化しにくいため、世界中で使用されてきました。
しかし、このマーガリンやショートニング、ファットスプレッドといった人工的に作られた固形油脂は、「肥満」「動脈硬化」「悪玉コレステロール増加」「心臓病」「癌」「アレルギー」「アトピー」などの原因になる「トランス脂肪酸」をとても多く含んでいます。
その脂肪の分子構造は、プラスチックと似ていることから、「食べるプラスチック」ともいわれ、健康を害するため、その使用は世界的な問題にされています。
アメリカでは、「肥満」や「動脈硬化」「心臓病」など、「トランス脂肪酸」を多く含んだ油を使ってきたことが、大きな原因といわれる病気が問題となり、アメリカ政府は、2018年の6月までにトランス脂肪酸を食品添加物から全廃すると発表しました。
また、アメリカだけではなく、カナダ、ブラジル、ウルグアイ、チリ、アルゼンチンなど北アメリカ、南アメリカ諸国、韓国、台湾、香港などのアジア諸国も「トランス脂肪酸」含有に関する表示義務があります。
しかし、日本では、トランス脂肪酸を多く含んだ食品に関する規制はおろか、表示義務もありません。
「肥満」が、骨盤内の血管や臓器を圧迫することで、不妊症の原因になるというお話は、今シリーズ2回目の「妊活中の方の食生活 甘いものの摂りすぎは、いけません。」でもお話しました。
「トランス脂肪酸」は、肥満の原因になるだけではなく、トランス脂肪酸の過剰摂取が、排卵に悪影響をあたえることや子宮内膜症の発症リスクを高めるということがハーバード大学の研究チームによって報告されています。
また、同じハーバード大学の研究チームでは、トランス脂肪酸の摂取量の多さが、男性の精子濃度の低さと関係があるということも分かっています。
さらには、妊娠した後も、脂質が細胞膜を作りますので、おなかの中の赤ちゃんの成長や出産後にもアトピーや免疫力に影響を与えることも懸念されています。
「トランス脂肪酸」は、まさに、妊娠を望んでいるカップルには、天敵といえます。
平成18年度の食品安全委員会で出された国内で流通している386食品中のトランス脂肪酸含有量について調査された結果が、ありましたので、ご紹介いたします。
食品名 |
資料数 |
トランス脂肪酸(g/100g) |
||
平均値 |
最大値 |
最小値 |
||
マーガリン、 ファットスプレッド |
34 |
7.00 |
13.5 |
0.36 |
食用調合油など (例サラダ油) |
22 |
1.40 |
2.78 |
定量下限未満 |
ラード |
4 |
1.37 |
2.70 |
0.64 |
ショートニング |
10 |
13.6 |
31.2 |
1.15 |
ビスケット類 |
29 |
1.80 |
7.28 |
0.04 |
スナック菓子、米菓子 |
41 |
0.62 |
12.7 |
定量下限未満 |
チョコレート |
15 |
0.15 |
0.71 |
定量下限未満 |
ケーキ、ペストリー類 |
12 |
0.71 |
2.17 |
0.26 |
マヨネーズ |
9 |
1.24 |
1.65 |
0.49 |
食パン |
5 |
0.16 |
0.27 |
0.05 |
菓子パン |
4 |
0.20 |
0.34 |
0.15 |
即席中華めん |
10 |
0.13 |
0.22 |
0.07 |
油揚げ、がんもどき |
7 |
0.13 |
0.22 |
0.07 |
牛肉 |
70 |
0.52 |
1.45 |
0.01 |
牛肉(内臓) |
10 |
0.44 |
1.45 |
0.01 |
牛乳など |
26 |
0.09 |
0.19 |
0.02 |
バター |
13 |
1.95 |
2.21 |
1.71 |
プレーンヨーグルト |
8 |
0.04 |
0.11 |
定量下限未満 |
チーズ |
27 |
0.83 |
1.46 |
0.48 |
練乳 |
4 |
0.15 |
0.23 |
定量下限未満 |
クリーム類 |
10 |
3.02 |
12.5 |
0.01 |
アイスクリーム類 |
14 |
0.24 |
0.60 |
0.01 |
脱脂粉乳 |
2 |
0.02 |
0.03 |
0.02 |
(トランス脂肪酸 ファクトシート 食品安全委員会)
もちろん、バターにもトランス脂肪酸は含まれていますので、やはり摂りすぎはいけません。
しかし、やはり、マーガリンとバターをくらべると、一般的にバターのほうが、トランス脂肪酸の含有量は少なく、体に優しいと考えられます。
先ほどもお話したように、現在日本には、トランス脂肪酸に関する表示義務はありません。
また、プラスチック容器に入った安価なサラダ油は、生産効率を上げるために高温処理がされているのですが、この高温処理の過程では、トランス脂肪酸が、多く発生します。
不妊症治療中、妊活中、妊娠中の方は、ぜひマーガリン、ショートニング、ファットスプレッド、安価なサラダ油の使用を避けることはもとより、スーパーやコンビニ、大手レストランチェーン、お弁当屋などで購入できる揚げもの、大量生産された冷凍食品、食パン、菓子パン、スナック菓子などにも気をつけなくてはいけません。
マーガリン・ショートニング・ファットスプレッド・サラダ油を使用すると生産コストを抑えられ、製品が劣化しにくいというメリットがありますので、安くて大量に作られているものは、トランス脂肪酸を多く含んだ油が使われていると考えて間違いないありません。
そういったものもなるべく買わない、食べないといったことも、気をつけて、自宅で使う食用油もエキストラバージンオリーブオイルや圧搾によって抽出された植物油を使用できると、なお良いでしょう。
インターネット上に、あったマーガリンのトランス脂肪酸の含有量について記事があったので、参考までにのせておきます。
【トランス脂肪酸含有量3.0%以上】
パン5~7枚で、基準値オーバー
・マリンフード「ツキマルゴールド8g」(6.5%)
・雪印「バター仕立てのマーガリン140g」(6.0%)
・イオン「トップバリュキャノーラソフト 紅花 160g」(5.3%)
・生協 「べに花ハーフ」(4.1%)
・マリンフード「メンドーテルポーション 6g」(4.0%)
・同「ガーリックマーガリン 80g」(3.2%)
・雪印「ネオソフト コクのあるバター風味280g」(3.0%)
・同「テイスティソフト バターの風味 濃厚300g」(3.0%)
・同「ネオソフト キャノーラハーフ160g」(3.0%)
・同「ネオソフト ハーフ」(3.0%)
・同「ネオソフト べに花」(3.0%)
・同「ヘルシーリセッタ ソフト」(3.0%)
・生協「ケーキ用マーガリン」(3.0%)
【トランス脂肪酸含有量1.0%以上3%未満】
パン10~20枚で、基準値オーバー、パンだけで基準値を超えることはなかなかないと思われるが、他の食品に入るトランス脂肪酸に注意が必要
・ローソン「マーガリン ローソンセレクト」(1.9%)
・イオン「シュガートースト ソフトクリーム」(1.71%)
・雪印「まるでバターのような やわらかソフト(チューブタイプ)140g」(1.4%)
・ホテルオークラエンタープライズ「ホテルオークラ マーガリン180g」(1.0%)
・金谷ホテルベーカリー「金谷ホテルマーガリン」(1.0%)
・J-オイルミルズ「NEW! カルピスソフト」(1.0%)
・同「ラーマ バター好きのためのマーガリン」(1.0%)
・同「ラーマ バターの風味」(1.0%)
・同「ラーマ」(1.0%)
・同「ラーマソフト減」(1.0%)
・同「ラーマ プロ・アクティブ」(1.0%)
※J-オイルミルズは含有量をすべて「1%前後」と回答したので1.0%に統一した
【トランス脂肪酸含有量1.0%未満】
・丸和油脂「ホテルソフトファットスプレッド 380g」(0.9%)
・同「ホテルソフト(バター入り) 150g」(0.9%)
・マリンフード「ソフトマーガリン150g」(0.8%)
・雪印「ネオソフト」(0.8%)
・生協「バター入りマーガリン」(0.8%)
・同「コーンソフト バターの風味」(0.7%)
・イオン「トップバリュ テーブルソフト 320g」(0.7%)
・小岩井乳業「小岩井 マーガリン 醗酵バター入り 180g」(0.68%)
・リボン食品「低糖工房 有機のマーガリン160g」(0.6%)
・イオン「トップバリュ セレクト 発酵バター入りマーガリン160g」(0.6%)
・マリンフード「たらこスプレッド 150g」(0.6%)
・同「ガーリックマーガリン 160g」(0.6%)
・同「はちみつシュガーバターブレンド 160g」(0.6%)
・同「ホイップガーリックソフト120gシュリンクタイプ」(0.6%)
・同「ホイップガーリックソフト 120g カートンタイプ」(0.6%)
・同「私のフランス料理 150g」(0.6%)
・同「私の胡麻いっぱいスプレッド 160g」(0.6%)
・同「私のフレンチトースト 160g」(0.6%)
・同「キューブマーガリン 7g」(0.6%)
・雪印「まるでバターのようなマーガリン」(0.6%)
・同「ケーキ用マーガリン」(0.6%)
・創健社「べに花ハイプラス マーガリン180g」(0.5%)
・帝国ホテル「ホテルマーガリン」(0.5%)
・月島食品工業「パン屋さんのおいしいマーガリン」(0.5%)
・同「プラスマーガリン」(0.5%)
・マリンフード「ツキマルシルバー 8g」(0.5%)
・同「フレッシュマリンマーガリン 8g」(0.5%)
・同「フレッシュマリン植物性マーガリン 8g(小袋)」(0.5%)
・同「フレッシュマリンマーガリン 8g(小袋)」(0.5%)
・生協「コーンマーガリン(コーン油<遺伝子組換え原料不使>70%使用」(0.5%)
・キユーピー「いちご&マーガリン 約11g」(0.4%)
・同「はちみつ&マーガリン 約11g」(0.4%)
・同「ブルーベリー&マーガリン約11g」(0.4%)
・イオン「トップバリュ キャノーラソフト バター風味ソフト160g」(0.4%)
・創健社「発酵豆乳入りマーガリン160g」(0.4%)
・生協「コーンマーガリン」(0.4%)
・同「NEWソフト」(0.4%)
・同「コーンソフト バター入り」(0.4%)
・小岩井乳業「小岩井 マーガリン ヘルシータイプ180g」(0.34%)
・マリンフード「ツキマルシルバーホイップマーガリン 5g」(0.3%)
・イオン「トップバリュ キャノーラソフト カロリー1/2 180g」(0.23%)
(参照 ビジネスジャーナル 『危険なトランス脂肪酸、含有量ワースト5のマーガリン!雪印、イオン・・・セブンは開示拒否』 佐々木奎一)
鍼灸整骨うりずんでは、妊活・不妊症の治療に、鍼灸とメディカルアロマ・ヨモギ蒸しなどの薬草療法を組み合わせた独自の治療法で臨み、妊娠成立・出産など多くのお喜びの声を頂いております。
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精一杯、お手伝いさせていただきます。
2016/05/13